前問で選択した薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
63 歳男性。体重64 kg。左腎にがんを指摘され部分摘出術を受けた。その後、再発と骨転移、膵転移を認め、分子標的薬の投与が行われたものの再再発との評価を受け、先月よりニボルマブの単剤療法が開始された。
前問で選択した薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ ヘルパーT 細胞内のカルシニューリンを阻害することで、インターロイキン-2の産生を低下させる。カルシニューリンを阻害してIL-2産生を抑えるのは、シクロスポリンやタクロリムスの作用です。
- ⑵ アウエルバッハ神経叢のオピオイド μ 受容体を刺激することで、アセチルコリンの遊離を抑制し、蠕動運動を抑制する。腸管のμ受容体を刺激して蠕動運動を抑えるのは、ロペラミドの作用です。
- ⑶ T 細胞の細胞傷害性T リンパ球抗原-4(CTLA-4)に結合することで、T 細胞の活性を維持する。CTLA-4に結合してT細胞の活性化を維持するのは、イピリムマブの作用です。
- ⑷ 可溶性腫瘍壊死因子 α(TNF-α)と結合することで、抗炎症作用を発揮する。TNF-αと結合して抗炎症作用を示すのは、インフリキシマブやアダリムマブの作用です。
- ⑸ 受容体との複合体が核内に移行し、糖質コルチコイド応答配列に結合することでタンパク質の生成を調節する。糖質コルチコイドは受容体と複合体を作って核内に移行し、応答配列に結合してタンパク質の生成を調節します。
解説
正解は⑸です。メチルプレドニゾロンなどの糖質コルチコイドは、細胞膜を通過して細胞質の糖質コルチコイド受容体に結合し、その複合体が核内に移行して、DNA上の糖質コルチコイド応答配列に結合します。これにより抗炎症性タンパク質の産生を増やし、炎症性サイトカインなどの産生を抑えて強い抗炎症・免疫抑制作用を示します。カルシニューリン阻害はタクロリムス、μ受容体刺激はロペラミド、CTLA-4結合はイピリムマブ、TNF-α結合は抗TNF抗体の作用です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成