処方1 及び処方2 の薬物の副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ…
83 歳男性、独居。日常生活動作はほぼ自立している。心房細動や高血圧、軽度のアルツハイマー型認知症で薬物治療を受けていた。3 ヶ月前に転倒し強い腰痛と軽度不眠のために医療機関にかかり、治療が開始された。昨夜自宅居間で転倒し、頭部を強打したため救急車で搬送され、入院となった。お薬手帳から入院時の持参薬は処方1 と処方2 であった。来院時の主な所見は、下肢の浮腫や多数の紫斑を認めるほか、PT-INR 2.3、血清クレアチニン1.7 mg/dL、eGFR 30.5 mL/min/1.73 m²であった。なお、画像解析から頭部に出血等の異常は認めていない。お薬手帳より(処方1 )ワルファリン錠1 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)ビソプロロール錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分リバスチグミンパッチ4.5 mg 1 回3 枚(1 日3 枚)1 日1 回 朝 28 日分胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付(全84 枚)(処方2 )ニトラゼパム錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 28 日分プレガバリン口腔内崩壊錠75 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分リバスチグミンパッチ4.5 mg 1 回1 枚(1 日1 枚)1 日1 回 28 日分胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付(全28 枚)
処方1 及び処方2 の薬物の副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ プレガバリンは、γ-アミノ酪酸GABAB 受容体を刺激し、めまいや眠気を誘発する。プレガバリンはCa²⁺チャネルのα2δサブユニットに結合する薬で、GABAB受容体を刺激するわけではありません。
- ⑵ リバスチグミンは、アセチルコリン受容体を遮断することで、尿失禁を起こす。リバスチグミンはコリンエステラーゼ阻害薬で、アセチルコリンの作用を増強して尿失禁を起こすことがあります。受容体遮断ではありません。
- ⑶ ニトラゼパムは、GABA の作用を増強して、ふらつきや倦怠感、残眠感を生じる。ニトラゼパムはGABAの作用を増強し、ふらつきや倦怠感、残眠感を生じることがあります。
- ⑷ ワルファリンは、ビタミンK が関与する血液凝固因子の生成を抑制することで、出血傾向を生じる。ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子の生成を抑え、出血傾向を生じます。
- ⑸ ビソプロロールは、アドレナリン α 受容体とアドレナリン β 受容体を遮断することで尿失禁を誘発する。ビソプロロールはβ1受容体選択的な遮断薬で、α受容体は遮断しません。
解説
正解は⑶と⑷です。ニトラゼパムはベンゾジアゼピン受容体に結合してGABAA受容体の作用を増強する睡眠薬で、作用時間が長く、高齢者では翌朝のふらつきや倦怠感、残眠感を起こしやすくなります。ワルファリンはビタミンKエポキシド還元酵素を阻害してビタミンK依存性凝固因子の生成を抑えるため、出血傾向を生じます。プレガバリンはα2δリガンド、リバスチグミンはコリンエステラーゼ阻害薬、ビソプロロールはβ1選択的遮断薬です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成