40歳の女性から、服用している薬の溶けやすさや性質が、化学構造によってどう変わる…
40歳の女性から、服用している薬の溶けやすさや性質が、化学構造によってどう変わるのかと質問された。医薬品の部分構造にみられる置換基が、ベンゼン環の電子密度に与える影響を、誘起効果と共鳴効果に分けて整理した。記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ メチル基は電子求引性の基で、安息香酸の環に付くとカルボン酸の酸性を強める。メチル基は電子供与性で、カルボン酸の酸性をわずかに弱めます。
- ⑵ アミノ基をアセチル化すると、ベンゼン環への電子の供与はさらに強まる。アセチル化すると窒素の非共有電子対がカルボニル基に引かれ、供与は弱まります。
- ⑶ ハロゲンは共鳴効果も誘起効果も電子供与性で、求電子置換反応を強く活性化する。ハロゲンは誘起効果で強く電子を求引し、全体として環を不活性化します。
- ⑷ ニトロ基は、共鳴効果と誘起効果の両方でベンゼン環の電子密度を下げる。ニトロ基は両方の効果で電子を求引し、求電子置換反応を不活性化します。
- ⑸ メトキシ基は、誘起効果では電子を求引するが、共鳴効果では電子を供与する。酸素の非共有電子対の共鳴による供与が勝り、全体として環を活性化します。
解説
正解は、ニトロ基とメトキシ基についての記述です。置換基の電子効果には、σ結合を通じた誘起効果と、π電子系を通じた共鳴効果があります。ニトロ基は両方で電子を求引し、メトキシ基やアミノ基は共鳴効果で電子を供与して環を活性化します。ハロゲンは誘起効果が勝って環を不活性化しますが、オルト・パラ配向性を示します。アセチル化したアミノ基は供与が弱まります。
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