医薬品には、ベンゼン環のほかに窒素や酸素を含む芳香族の複素環が多くみられる。芳香…
医薬品には、ベンゼン環のほかに窒素や酸素を含む芳香族の複素環が多くみられる。芳香族性と芳香族化合物の反応性に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ シクロオクタテトラエンは平面の環状の共役系をとり、8個のπ電子による芳香族性を示す。シクロオクタテトラエンは平面をとらず、π電子が4n+2個でもないため芳香族性を示しません。
- ⑵ フランの酸素原子はπ電子系に電子を出さないため、フランは芳香族性を示さない。フランの酸素は非共有電子対の1組をπ電子系に出し、6π電子の芳香族性を示します。
- ⑶ ピロールの窒素の非共有電子対は6π電子系に含まれ、塩基性はきわめて弱い。非共有電子対が芳香族性に使われているため、プロトンを受け取りにくくなっています。
- ⑷ ピリジンは環の窒素が電子を引くため、ベンゼンより求電子置換反応を受けにくい。窒素が環の電子密度を下げるため、ピリジンは求電子置換反応を受けにくくなります。
- ⑸ ナフタレンの求電子置換反応は、隣の環の影響を受けにくい2位で主に起こる。ナフタレンでは、中間体が安定な1位で主に求電子置換反応が起こります。
解説
正解は、ピロールの塩基性がきわめて弱いという記述と、ピリジンがベンゼンより求電子置換反応を受けにくいという記述です。平面の環状の共役系で、π電子が4n+2個あると芳香族性を示します。ピロールやフランでは、ヘテロ原子の非共有電子対がπ電子系に加わって芳香族性を示します。ピリジンの窒素の非共有電子対はπ電子系に含まれないため塩基性を示し、環の電子密度は低くなっています。
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