統合失調症の30歳の男性。抗精神病薬を増量した数日後から、38℃を超える発熱、強…
統合失調症の30歳の男性。抗精神病薬を増量した数日後から、38℃を超える発熱、強い筋のこわばり、大量の発汗、意識の混濁が現れ、血清クレアチンキナーゼが著しく上昇した。この副作用について、正しいのはどれか。
- ⑴ 薬への免疫反応によるアナフィラキシーで、アドレナリンの筋肉内注射を第一に行う。アナフィラキシーは投与直後に起こるもので、数日かけて発熱と筋強剛が進む経過とは異なります。
- ⑵ 抗コリン作用による熱の放散の低下で、筋のこわばりを伴わず、皮膚が乾燥するのが特徴である。この患者には強い筋のこわばりと大量の発汗があり、抗コリン作用による高体温とは合いません。
- ⑶ 錐体外路症状の一つであるアカシジアで、抗コリン薬を追加すれば数時間で回復する。アカシジアはじっとしていられない症状で、発熱やクレアチンキナーゼの著しい上昇は伴いません。
- ⑷ セロトニン再取り込み阻害薬の併用によるセロトニン症候群で、腱反射の低下と徐脈が特徴である。セロトニン症候群では腱反射の亢進やミオクローヌス、頻脈がみられ、この経過とも合いません。
- ⑸ ドパミンD2受容体の強い遮断による悪性症候群で、原因薬を中止しダントロレンで治療する。抗精神病薬の開始や増量に伴う悪性症候群で、中止と全身の冷却、ダントロレンの投与などを行います。
解説
正解は、ドパミンD2受容体の強い遮断が関わる悪性症候群で、原因薬を中止してダントロレンなどで治療するというものです。抗精神病薬の開始や増量のあとに、高熱、筋強剛、発汗などの自律神経症状、意識障害が現れ、筋の崩壊によってクレアチンキナーゼが上昇します。放置すると腎不全などで命に関わるため、原因薬の中止、輸液と冷却、ダントロレンの投与を速やかに行います。
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