塩化銀の結晶が沈んでいる飽和水溶液に、塩化ナトリウムを少量溶かした。温度は一定と…
塩化銀の結晶が沈んでいる飽和水溶液に、塩化ナトリウムを少量溶かした。温度は一定とする。このとき起こる変化として、正しいのはどれか。
- ⑴ 平衡は塩化銀が溶ける向きに移り、溶液中の銀の量が増えて沈殿が消える。共通のイオンが加わると平衡は沈殿が生じる向きに移り、溶液中の銀の量は減ります。
- ⑵ 共通する塩化物イオンが増え、溶解度積を保つように塩化銀が析出する。共通イオン効果により、銀イオンと塩化物イオンの濃度の積が溶解度積に戻るまで塩化銀が析出します。
- ⑶ 銀イオンの濃度は上がり、塩化物イオンの濃度は加える前と同じ値に戻る。塩化物イオンが増えると銀イオンは減ります。両者の積が溶解度積に等しく保たれます。
- ⑷ 溶解度積の値そのものが大きくなり、沈んでいた塩化銀の一部が溶け出していく。溶解度積は温度で決まる定数で、塩化ナトリウムを加えても値は変わりません。
- ⑸ 加えたナトリウムイオンが銀イオンと置き換わり、塩化ナトリウムの沈殿が新たに生じる。塩化ナトリウムは水によく溶けるため沈殿しません。起こるのは塩化銀の析出です。
解説
正解は、塩化物イオンの濃度が上がって銀イオンの濃度が下がり、塩化銀が析出することです。難溶性塩の飽和溶液では、陽イオンと陰イオンの濃度の積が溶解度積に等しくなっています。共通する塩化物イオンを加えると積が溶解度積を超えるため、塩化銀が析出して銀イオンの濃度が下がります。これを共通イオン効果といいます。溶解度積そのものは温度で決まる定数で、加えた塩によって変わることはありません。
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