20歳の男性。1型糖尿病で、体調を崩した際にインスリンの注射を自己判断で中止した…
20歳の男性。1型糖尿病で、体調を崩した際にインスリンの注射を自己判断で中止した。翌日、強い倦怠感と嘔吐で受診し、動脈血のpHと炭酸水素イオン濃度の低下を認め、ケトアシドーシスと診断された。このとき体内で働く代償の反応として、正しいのはどれか。
- ⑴ ケトン体が増えると血漿の炭酸水素イオン濃度が上昇し、増えた酸を中和しきる。増えた酸の中和に炭酸水素イオンが消費されるため、その濃度は低下します。
- ⑵ 腎臓が水素イオンの排泄を減らし、尿をアルカリ性に傾けてpHを保つ。アシドーシスでは腎臓は水素イオンの排泄を増やし、尿は酸性に傾きます。
- ⑶ 腎臓が炭酸水素イオンの再吸収を減らし、尿中へ多く捨てることでpHを元に戻す。アシドーシスでは腎臓は炭酸水素イオンの再吸収を増やし、水素イオンの排泄を高めます。
- ⑷ 呼吸が浅く遅くなり、二酸化炭素を体内にためることで血液のpHを上げる。二酸化炭素をためるとpHはさらに下がり、これは代謝性アルカローシスでみられる代償です。
- ⑸ 呼吸が深く速くなり、二酸化炭素を多く吐き出して血液のpHの低下を和らげる。代謝性アシドーシスでは呼吸による代償が働き、動脈血の二酸化炭素分圧が下がります。
解説
正解は⑸です。インスリンが不足すると脂肪の分解が進み、肝臓でつくられたケトン体が蓄積して代謝性アシドーシスになります。増えた酸の中和に炭酸水素イオンが使われるため、その濃度は低下します。これに対して呼吸中枢が刺激されて呼吸が深く速くなり、二酸化炭素を多く吐き出してpHの低下を和らげます。腎臓も水素イオンの排泄と炭酸水素イオンの再吸収を増やして代償に働きます。
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