水和物として知られる原薬の結晶を、熱重量測定と示差走査熱量測定で同時に分析した。…
水和物として知られる原薬の結晶を、熱重量測定と示差走査熱量測定で同時に分析した。得られた結果の解釈と、それぞれの測定法の原理として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 示差走査熱量測定のピークの面積は、試料の質量が変化した量を表している。ピークの面積は吸収または放出された熱量、すなわちエンタルピー変化を表します。
- ⑵ 熱重量測定では、試料と基準物質の温度の差を測って、熱の出入りを調べる。温度の差を測るのは示差熱分析で、熱重量測定は温度による試料の質量の変化を測ります。
- ⑶ 100℃付近で質量の減少と同時に吸熱ピークが現れた場合は、結晶水が失われる脱水が考えられる。結晶水が抜けると質量が減り、その過程で熱を吸収するため、両方の変化が同時に現れます。
- ⑷ 質量の変化を伴わずに鋭い吸熱ピークが現れた場合は、結晶の融解が考えられる。融解は質量の変化を伴わず、一定の温度で熱を吸収するため鋭い吸熱ピークになります。
- ⑸ 準安定形から安定形への結晶の転移は、必ず大きな質量の減少を伴って現れる。結晶形の転移は分子の並び方の変化で、質量の変化は伴いません。
解説
正解は⑶と⑷です。熱重量測定は温度を変えながら試料の質量の変化を測り、示差走査熱量測定は試料と基準物質に出入りする熱量の差を測ります。水和物では、結晶水が抜ける脱水で質量の減少と吸熱が同時に現れます。融解や結晶形の転移は質量の変化を伴わず、熱の出入りだけがピークとして現れます。示差走査熱量測定のピークの面積は、転移や融解に伴うエンタルピー変化を表します。
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