62歳の女性。更年期の不調に対して加味逍遙散のエキス製剤を10年以上続けて服用し…
62歳の女性。更年期の不調に対して加味逍遙散のエキス製剤を10年以上続けて服用していた。腹痛と下痢を繰り返すようになり、検査で大腸の周りの静脈の壁が石灰化して硬くなる病変が見つかった。原因として最も疑われる配合生薬はどれか。
- ⑴ トウキ当帰で問題となりやすいのは胃の不快感や食欲不振などの消化器症状で、静脈の石灰化は報告されていません。
- ⑵ ボタンピ牡丹皮は血の巡りを改善する生薬で、妊娠中の服用で流早産のおそれに注意しますが、静脈硬化の原因にはなりません。
- ⑶ ハッカ薄荷は清涼感を与える生薬で、長期服用で腸管の静脈病変を起こすと報告されているのは山梔子の方です。
- ⑷ サンシシ山梔子を含む漢方薬を長く服用すると、腸間膜静脈硬化症が起こることが報告されています。
- ⑸ カンゾウ甘草の副作用として知られるのは偽アルドステロン症で、低カリウム血症や浮腫、血圧上昇が主な症状です。
解説
正解は⑷です。山梔子を含む漢方薬を5年以上など長期に服用すると、腸間膜静脈の壁が線維化・石灰化して腸管の血流が滞る腸間膜静脈硬化症が起こることがあり、腹痛や下痢、便秘を繰り返します。加味逍遙散のほか黄連解毒湯などにも山梔子が含まれます。甘草の副作用は偽アルドステロン症で、当帰は胃腸症状、牡丹皮は妊娠中の注意が中心です。長期服用の患者では定期的な検査を勧めます。
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