受容体に作用する医薬品は、内因性リガンドの構造を少しずつ変えることで、作用の選択…
受容体に作用する医薬品は、内因性リガンドの構造を少しずつ変えることで、作用の選択性や持続時間が調節されてきた。医薬品の構造と性質に関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ プロプラノロールはカテコール骨格をもち、β受容体を強く刺激して心拍数を増やす。プロプラノロールはナフチルオキシプロパノールアミン構造をもつβ受容体遮断薬で、心拍数を減らします。
- ⑵ ノルアドレナリンの窒素上の置換基を大きくしていくと、α受容体への作用が強まり、β受容体への作用は弱まる。窒素上の置換基を大きくするとβ受容体への親和性が高まり、α受容体への作用は弱まります。
- ⑶ アトロピンは窒素が第四級アンモニウムの構造をもつため、中枢神経系へほとんど移行しない。アトロピンは第三級アミンで中枢へ移行し、第四級アンモニウム構造をもつのはブチルスコポラミンなどです。
- ⑷ ジフェンヒドラミンは構造中にカルボキシ基をもち、血液脳関門を通りにくいため眠気が少ない。ジフェンヒドラミンは脂溶性の第一世代の抗ヒスタミン薬で中枢へ移行しやすく、眠気を起こしやすい薬です。
- ⑸ サルブタモールは、カテコールの一方のヒドロキシ基をヒドロキシメチル基に変えたため、メチル化による代謝を受けにくい。カテコール構造を失ったことで、メチル化による不活性化を受けにくくなり、作用が長く続きます。
解説
正解は⑸です。サルブタモールはカテコールの片方のヒドロキシ基をヒドロキシメチル基に置き換えたため、カテコール-O-メチル基転移酵素による代謝を受けにくく、窒素上の大きな置換基によりβ2受容体への選択性も高まっています。カテコールアミンでは窒素上の置換基を大きくするほどβ作用が強まります。プロプラノロールはβ遮断薬、アトロピンは中枢へ移行する第三級アミン、ジフェンヒドラミンは中枢へ移行しやすい抗ヒスタミン薬です。
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