術後の排尿困難に用いられるベタネコールは、アセチルコリンに似た構造をもつ。ベタネ…
術後の排尿困難に用いられるベタネコールは、アセチルコリンに似た構造をもつ。ベタネコールの作用がアセチルコリンより長く続く構造上の理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 窒素原子の置換基をエチル基に変えており、ニコチン受容体にも強く結合するようになっている。窒素上はメチル基のままで、β位のメチル基によりむしろムスカリン受容体への選択性が高まっています。
- ⑵ エステル結合をエーテル結合に置き換えており、肝臓のシトクロムP450で代謝されにくい。ベタネコールはエステル結合をもち、エーテル結合に置き換えた構造ではありません。
- ⑶ 分子内にイミダゾール環をもち、ムスカリン受容体から解離する速度が遅くなっている。イミダゾール環をもつコリン作動薬はピロカルピンで、ベタネコールの構造ではありません。
- ⑷ 酢酸エステルをカルバミン酸エステルに替えてあり、コリンエステラーゼで分解されにくい。カルバモイル基をもつエステルはコリンエステラーゼの基質になりにくく、作用が持続します。
- ⑸ 第四級アンモニウムを第三級アミンに置き換えており、組織へ移行しやすく長くとどまる。ベタネコールは第四級アンモニウムを保っており、第三級アミンには置き換えられていません。
解説
正解は⑷です。アセチルコリンは酢酸とコリンのエステルで、コリンエステラーゼによって速やかに分解されます。ベタネコールは酢酸エステルをカルバミン酸エステルに置き換えたため加水分解を受けにくく、作用が長く続きます。さらにコリン部分のβ位にメチル基を導入したことで、ニコチン受容体への作用が弱まり、ムスカリン受容体に選択的に働きます。第四級アンモニウムを保つため中枢へは移行しにくい点も特徴です。
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