内容積が等しい2つの容器に、同じ温度・同じ圧力でヘリウムと窒素をそれぞれ封入した…
内容積が等しい2つの容器に、同じ温度・同じ圧力でヘリウムと窒素をそれぞれ封入した。いずれも理想気体として扱えるものとする。気体分子運動論にもとづく記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ 理想気体を一定温度で圧縮して体積を半分にすると、その内部エネルギーは2倍に増加する。理想気体の内部エネルギーは温度だけの関数で、温度が一定なら体積を変えても変化しません。
- ⑵ 温度を上げると、マクスウェル・ボルツマン分布の山は低速側へ移り、分布の幅も狭くなる。温度を上げると、速度分布の山は高速側へ移り、分布はより広がった形になります。
- ⑶ 二乗平均速度は分子量に比例して大きくなるため、窒素分子の方がヘリウム分子より速く飛び回る。二乗平均速度はモル質量の平方根に反比例するため、軽いヘリウム分子の方が速く動きます。
- ⑷ 同じ温度のヘリウムと窒素では、分子1個がもつ並進運動エネルギーの平均値が等しい。分子1個の並進運動エネルギーの平均値は絶対温度だけで決まり、気体の種類にはよりません。
- ⑸ 絶対温度を2倍にすると、分子の二乗平均速度もそれに比例してちょうど2倍になる。二乗平均速度は絶対温度の平方根に比例するので、温度を2倍にしても速度は約1.4倍にとどまります。
解説
正解は⑷です。気体分子運動論では、分子1個の並進運動エネルギーの平均値はボルツマン定数と絶対温度の積の2分の3倍で表され、気体の種類によりません。一方、二乗平均速度は絶対温度の平方根に比例し、モル質量の平方根に反比例するため、温度を2倍にすると約1.4倍になり、同じ温度では軽いヘリウムの方が速く動きます。理想気体の内部エネルギーは温度だけで決まり、温度が上がると速度分布は高速側へ移って広がります。
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