55歳の男性。1型糖尿病で、1日1回の持効型のインスリンと、食事ごとの超速効型の…
55歳の男性。1型糖尿病で、1日1回の持効型のインスリンと、食事ごとの超速効型のインスリンを使っている。薬剤師は、遺伝子組換えでつくられるたんぱく質医薬品の工夫を確認した。記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ バイオ後続品は、先行のバイオ医薬品と化学構造がまったく同一であることが確認された医薬品である。バイオ後続品は品質や有効性、安全性が同等・同質であることを確かめたもので、構造が完全に同一とは限りません。
- ⑵ ヒト化抗体は、マウスの抗体の可変部をそのまま残し、定常部をヒトのものに置き換えた抗体である。その構造はキメラ抗体のもので、ヒト化抗体は抗原と結合する部位の一部だけをマウス由来とした抗体です。
- ⑶ インスリングラルギンは中性の皮下で微細な沈殿をつくり、そこからゆっくり吸収されて作用が長く続く。中性の皮下で溶けにくくなるため、少しずつ溶け出して吸収されます。
- ⑷ 糖鎖の付加が働きに必要なたんぱく質医薬品は、哺乳類の培養細胞を用いて製造されることが多い。大腸菌などの細菌はヒトと同じ糖鎖を付加できないため、哺乳類の細胞が用いられます。
- ⑸ ポリエチレングリコールを結合させたたんぱく質医薬品は、腎臓から速やかに排泄されて作用が短くなる。ポリエチレングリコールの結合で分子が大きくなり、排泄が遅れて作用が長く続きます。
解説
正解は⑶と⑷です。インスリングラルギンはアミノ酸を置き換えて等電点を中性付近に変え、皮下で微細な沈殿をつくってゆっくり吸収させる持効型の製剤です。糖鎖が必要なたんぱく質は哺乳類の細胞で製造されます。ポリエチレングリコールの結合は作用を長くし、ヒト化抗体はマウス由来の部分を抗原結合部位の一部に限ったものです。バイオ後続品は同等性・同質性を確かめた医薬品です。
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