カルボニル基をもつ化合物は、その周りの構造によって求核剤との反応のしやすさが大き…
カルボニル基をもつ化合物は、その周りの構造によって求核剤との反応のしやすさが大きく異なる。アルデヒド、ケトン、カルボン酸とその誘導体の反応性に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 酸塩化物は塩化物イオンがよい脱離基となるため、エステルやアミドより求核アシル置換を受けやすい。脱離基の離れやすさとカルボニル炭素の求電子性の高さにより、酸塩化物が最も反応しやすくなります。
- ⑵ アルデヒドはケトンに比べて立体障害が小さく、カルボニル炭素への求核剤の付加を受けやすい。アルデヒドは置換基が1つで立体的に混み合わず、電子供与も少ないため反応しやすくなります。
- ⑶ アミドは窒素の非共有電子対がカルボニル基と共鳴するため、エステルより加水分解されやすい。共鳴によりカルボニル炭素の求電子性が下がるため、アミドはエステルより加水分解されにくくなります。
- ⑷ カルボン酸はアルデヒドより強い求電子性をもち、グリニャール試薬と付加してアルコールを生じやすい。カルボン酸は酸性の水素をもつため、グリニャール試薬はまず酸と塩基の反応で失われます。
- ⑸ ケトンはアンモニア性硝酸銀水溶液を還元して銀を析出させ、アルデヒドはこの反応を示さない。銀鏡反応を示すのはアルデヒドで、ケトンはふつうこの反応を示しません。
解説
正解は⑴と⑵です。カルボン酸誘導体の求核アシル置換の反応しやすさは、脱離基の離れやすさに左右され、酸塩化物、酸無水物、エステル、アミドの順に低くなります。アミドは窒素の共鳴でカルボニル炭素の求電子性が下がるため、最も安定です。アルデヒドはケトンより立体障害が小さく、アルキル基による電子供与も少ないため、求核付加を受けやすくなります。銀鏡反応はアルデヒドの還元性を利用した反応です。
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