医薬品の多くはシクロヘキサン環のような飽和の六員環を部分構造にもち、その立体配座…
医薬品の多くはシクロヘキサン環のような飽和の六員環を部分構造にもち、その立体配座が受容体との結合に影響する。シクロヘキサンとその誘導体の立体配座に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ シクロヘキサンの6個の炭素は同一平面上に並んでおり、結合角は120度に保たれている。平面にすると角ひずみが生じるため、炭素はいす形に折れ曲がり、結合角は約109.5度に近くなります。
- ⑵ 環の反転が起こったあとも、アキシアル位にあった置換基はアキシアル位のまま保たれる。環が反転すると、アキシアル位の置換基はエクアトリアル位に移ります。
- ⑶ 舟形配座はいす形配座よりねじれひずみが小さく安定で、室温では大部分の分子が舟形をとる。舟形はねじれひずみと立体的な反発が大きく、いす形の方が安定で大部分を占めます。
- ⑷ いす形配座では、各炭素に結合した2個の水素が、アキシアル位とエクアトリアル位に1つずつ配置される。いす形では各炭素に軸方向と赤道方向の結合が1本ずつあり、水素はそれぞれに位置します。
- ⑸ メチルシクロヘキサンでは、メチル基がエクアトリアル位にある配座の方が安定で、多く存在する。アキシアル位では同じ側の水素との立体的な反発が生じるため、エクアトリアル位の方が安定です。
解説
正解は⑷と⑸です。シクロヘキサンは平面ではなく、結合角を正四面体角に近づけたいす形配座をとり、これが最も安定です。いす形では各炭素にアキシアル位とエクアトリアル位の結合が1本ずつあり、環が反転すると両者が入れ替わります。置換基がアキシアル位にあると、同じ側のアキシアル位の水素と立体的に反発するため、メチル基などはエクアトリアル位にある配座の方が安定になります。舟形配座はいす形より不安定です。
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