注射剤や点眼剤のpHを保つために、弱酸とその塩を組み合わせた緩衝液が用いられる。…
注射剤や点眼剤のpHを保つために、弱酸とその塩を組み合わせた緩衝液が用いられる。酸・塩基の平衡と緩衝液の性質に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 酢酸と酢酸ナトリウムを同じ物質量ずつ含む水溶液のpHは、酢酸のpKaにほぼ等しくなる。ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式で、酸と塩の濃度の比が1のときpHはpKaに等しくなります。
- ⑵ 緩衝能は、溶液のpHが酸のpKaに近いときに大きく、成分の濃度が高いほど大きくなる。酸と共役塩基がともに十分にあるときに、加えた酸や塩基をよく打ち消すことができます。
- ⑶ 強酸と強塩基からなる塩の水溶液は、少量の酸を加えてもpHがほとんど変わらない緩衝作用を示す。強酸と強塩基の塩の水溶液には、加えた酸を受け止める弱い酸や塩基がないため緩衝作用はありません。
- ⑷ 水で10倍に薄めると、緩衝液のpHは1大きくなり、緩衝の作用もそのまま保たれる。薄めても酸と塩の濃度の比は変わらないため、pHはほとんど変わらず、緩衝能は小さくなります。
- ⑸ 弱塩基の水溶液のpHは、同じ濃度で比べると、その共役酸のpKaが小さい塩基ほど高くなる。共役酸のpKaが大きいほど塩基は強く、同じ濃度ならpHは高くなります。
解説
正解は⑴と⑵です。緩衝液のpHは、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式により、酸のpKaに、塩と酸の濃度の比の常用対数を加えた値になります。同じ物質量ずつ含めば比は1で、pHはpKaに等しくなります。緩衝能は、pHがpKaの付近で、成分の濃度が高いほど大きくなります。水で薄めても比は変わらないためpHはほとんど変化しませんが、緩衝能は小さくなります。強酸と強塩基の塩の水溶液に緩衝作用はありません。
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