妊娠中の女性が服用した薬が、胎盤を通って胎児へ移行しやすいかどうかを判断したい。…
妊娠中の女性が服用した薬が、胎盤を通って胎児へ移行しやすいかどうかを判断したい。胎盤を通過しやすい薬物の性質として、正しいのはどれか。
- ⑴ 分子量の大きなヘパリンなどの高分子ほど、胎盤の細胞のすき間を通って移行しやすい。ヘパリンのような高分子は胎盤をほとんど通過せず、妊娠中の抗凝固に用いられる理由になっています。
- ⑵ 分子量が小さく脂溶性が高い、非イオン形の薬物ほど単純拡散で胎盤を通過しやすい。胎盤の膜は他の生体膜と同じく脂質の膜で、小さく脂溶性の高い分子が拡散で通り抜けます。
- ⑶ 生理的なpHでほぼイオン形となる水溶性の高い薬物ほど、胎盤の膜に溶け込んで移行しやすい。イオン形の水溶性の高い分子は脂質の膜を通りにくく、胎盤も通過しにくくなります。
- ⑷ 血漿たんぱく質と強く結合している薬物ほど、結合形のまま胎盤を通過しやすい。胎盤を通過できるのは非結合形で、たんぱく質と結合した形は膜を通り抜けにくくなります。
- ⑸ 胎盤には薬物を排出する輸送体がないため、多くの薬物が母体の血中と同じ濃度で胎児に移る。胎盤にはP-糖たんぱく質などの排出輸送体があり、一部の薬物の胎児への移行を減らしています。
解説
正解は⑵です。胎盤では母体と胎児の血液は直接混ざらず、絨毛の細胞の膜を介して物質が移動します。多くの薬物は単純拡散で移行するため、分子量が小さく、脂溶性が高く、非イオン形で、血漿たんぱく質と結合していない薬物ほど胎盤を通過しやすくなります。ヘパリンのような高分子はほとんど通過しません。胎盤には排出輸送体もあり、一部の薬物の移行を抑えています。妊娠の時期により胎児への影響は異なります。
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