アドレナリンを内服しても全身の作用はほとんど現れないため、注射や吸入で用いる。ア…
アドレナリンを内服しても全身の作用はほとんど現れないため、注射や吸入で用いる。アドレナリンが内服で効きにくい理由を、化学構造から説明したものとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 強い酸性を示すスルホ基をもつため、腸管の中でほぼイオン形となって膜を通り抜けにくい。アドレナリンにスルホ基はなく、内服で効きにくい主な理由は代謝を受けやすいことです。
- ⑵ 分子量の大きなペプチドであるため、消化管のたんぱく質分解酵素によって分解されてしまう。アドレナリンはアミノ酸から生じる低分子のアミンで、ペプチドではありません。
- ⑶ カテコール構造をもち、腸管や肝臓のカテコール-O-メチル基転移酵素で速やかに代謝される。カテコールアミンは消化管と肝臓で代謝を受けやすく、内服では有効な血中濃度に達しません。
- ⑷ ステロイド骨格をもつため、腸管から吸収されたあと肝臓で抱合されて胆汁中へ排泄される。アドレナリンはステロイド骨格をもたず、フェネチルアミンの骨格にカテコールが付いた構造です。
- ⑸ β-ラクタム環をもつため、胃酸によって環が開いて加水分解され、活性を失ってしまう。β-ラクタム環はペニシリン系などの抗菌薬がもつ構造で、アドレナリンにはありません。
解説
正解は⑶です。アドレナリンはベンゼン環の隣り合う位置に2つのヒドロキシ基をもつカテコール構造をもちます。この部分は、腸管や肝臓にあるカテコール-O-メチル基転移酵素によるメチル化や、硫酸抱合を受けやすく、モノアミン酸化酵素による分解も受けます。そのため内服すると初回通過で大部分が代謝され、全身の作用はほとんど現れません。カテコール構造を変えた誘導体には内服で用いられるものがあります。
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