薬物代謝酵素の遺伝子多型や酵素の誘導が、薬の効果や副作用に影響した事例を整理した…
薬物代謝酵素の遺伝子多型や酵素の誘導が、薬の効果や副作用に影響した事例を整理した。記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ セント・ジョーンズ・ワートを含む食品は、CYP3A4を阻害して併用した薬の血中濃度を上げる。セント・ジョーンズ・ワートはCYP3A4などを誘導し、併用薬の血中濃度を下げます。
- ⑵ ワルファリンの光学異性体のうち、作用の強いS体は主にCYP3A4によって代謝される。作用の強いS体は主にCYP2C9で代謝されます。
- ⑶ 免疫抑制薬のタクロリムスは主にCYP2D6で代謝されるため、その阻害薬との併用に注意する。タクロリムスは主にCYP3A4とCYP3A5で代謝されます。
- ⑷ コデインはCYP2D6でモルヒネに変わるため、活性の非常に高い人では呼吸抑制が強く出やすい。活性が高い人ではモルヒネが速く多くつくられ、過量の症状が現れることがあります。
- ⑸ イソニアジドはアセチル化を受けて代謝され、代謝の遅い人では末梢神経障害が起こりやすい。N-アセチル転移酵素2の活性の低い人では血中濃度が高くなり、副作用が出やすくなります。
解説
正解は⑷と⑸です。薬物代謝酵素の活性には遺伝的な個人差があります。コデインはCYP2D6でモルヒネに変換されて効果を示すため、活性が非常に高い人では呼吸抑制などが強く現れ、活性の低い人では効果が弱くなります。イソニアジドを代謝するN-アセチル転移酵素2の活性が低い人では、末梢神経障害が起こりやすくなります。セント・ジョーンズ・ワートは酵素を誘導します。ワルファリンのS体はCYP2C9で、タクロリムスはCYP3A4などで代謝されます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。