薬物の組織への分布と、それに影響する因子について、正しいのはどれか。2つ選べ。
薬物の組織への分布と、それに影響する因子について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 組織の成分と強く結合する薬物ほど、血漿中に残る割合が大きくなり、分布容積は小さくなる。組織への結合が強いほど血漿中濃度は低くなり、分布容積は大きくなります。
- ⑵ 血液脳関門の毛細血管内皮は密着結合でつながれ、P-糖タンパク質が基質の薬物を血液側へくみ出す。細胞間のすき間が閉じられているうえ、排出輸送体が働くため、脳へ移行しにくい薬物が多くなります。
- ⑶ アルブミンの同じ部位に結合する2つの薬物を併用すると、一方の非結合形分率が上がることがある。結合部位を奪い合うため、追い出された薬物の非結合形の割合が上がります。
- ⑷ 分布容積の大きい薬物ほど血液中に多く存在するため、血液透析によって体内から除去されやすい。分布容積が大きい薬物は組織に多く分布しているため、血液透析では除去されにくくなります。
- ⑸ 胎盤は分子量の小さい脂溶性の薬物を一般にほとんど通過させないため、胎児への移行は問題になりにくい。分子量が小さく脂溶性の高い薬物は胎盤を通過しやすく、胎児へ移行します。
解説
正解は⑵と⑶です。脳の毛細血管は内皮細胞が密着結合でつながり、P-糖タンパク質などの排出輸送体も働くため、多くの薬物は脳へ移行しにくくなっています。アルブミンへの結合部位が同じ薬物を併用すると、結合の置換によって非結合形の割合が上がり、作用が強まることがあります。胎盤は脂溶性の小さな分子を通しやすい性質です。組織への結合が強い薬物は分布容積が大きく、血液透析では除去されにくくなります。
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