リン酸は3段階に解離する酸で、25℃でのpKaは2.1、7.2、12.3であると…
リン酸は3段階に解離する酸で、25℃でのpKaは2.1、7.2、12.3であるとする。リン酸とその塩の水溶液について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 血液と同じpH 7.4付近では、リン酸の大部分が解離していない分子形のリン酸として存在する。pH 7.4ではリン酸二水素イオンとリン酸水素イオンが主で、未解離のリン酸はごくわずかです。
- ⑵ pH 2.1の水溶液では、リン酸のほとんどが3価のリン酸イオンにまで解離して存在する。pH 2.1では未解離のリン酸とリン酸二水素イオンがほぼ等量で、3価のイオンはほとんどありません。
- ⑶ pH 7.2の水溶液では、リン酸二水素イオンとリン酸水素イオンがほぼ等しい量で存在する。pHが第2段階のpKaと等しいとき、その解離平衡にある2つの化学種の濃度は等しくなります。
- ⑷ リン酸二水素ナトリウムの水溶液のpHは、第1段階と第2段階のpKaの平均の4.65付近になる。両性の化学種の水溶液のpHは、近似的に隣り合う2つのpKaの平均で求められます。
- ⑸ リン酸水素二ナトリウムとリン酸三ナトリウムの等モル混合液は、pH 7.2付近の緩衝液になる。この組合せは第3段階の解離平衡に当たり、pH 12.3付近の緩衝液になります。
解説
正解は⑶と⑷です。多塩基酸では、各段階のpKaと等しいpHでその段階の酸と共役塩基が等量になります。pH 7.2ではリン酸二水素イオンとリン酸水素イオンが等量で、この付近は生体や試験液で用いられるリン酸緩衝液の領域です。リン酸二水素ナトリウムのような両性の化学種の水溶液のpHは、近似的に隣り合う2つのpKaの平均で、(2.1+7.2)÷2=4.65となります。pH 2.1付近では、3価のリン酸イオンはほとんど存在しません。
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