ある降圧薬をグレープフルーツジュースで服用したところ、血中濃度が水で服用したとき…
ある降圧薬をグレープフルーツジュースで服用したところ、血中濃度が水で服用したときより高くなった。このしくみとして、最も適切なのはどれか。
- ⑴ ジュースの成分が小腸上皮のCYP3A4を不可逆的に阻害し、初回通過での代謝が減る。フラノクマリン類が小腸のCYP3A4を失活させ、消化管での代謝が減って吸収される量が増えます。
- ⑵ ジュースの酸が胃内のpHを大きく下げ、弱塩基性の薬物の溶解と吸収を急速に進める。胃のpHはもともと低く、この相互作用はpHの変化ではなく代謝酵素の阻害によるものです。
- ⑶ ジュースの成分が肝臓のCYP2D6を誘導し、薬物から活性のある代謝物が多くつくられる。CYP2D6を誘導する作用はなく、誘導であれば親化合物の血中濃度はむしろ下がります。
- ⑷ ジュースの成分が腎臓の尿細管での分泌を阻害し、薬物の尿中への排泄が遅くなる。グレープフルーツジュースの主な影響は消化管での代謝の阻害で、尿細管分泌ではありません。
- ⑸ ジュースの成分が肝臓のグルクロン酸転移酵素を阻害し、抱合体の生成が少なくなる。主に阻害されるのはシトクロムP450の分子種で、グルクロン酸抱合の阻害ではありません。
解説
正解は⑴です。グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン類は、小腸上皮細胞のCYP3A4に結合して不可逆的に失活させます。CYP3A4で代謝されやすい薬物では、吸収の過程での代謝が減るため、生体内利用率が上がり血中濃度が高くなります。酵素が新たに合成されるまで影響が続くため、服用の時間をずらしても効果を避けにくいのが特徴です。ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬の一部などで注意が必要です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。