血漿中のアルブミンとの結合率が高い薬物を、低アルブミン血症の患者に通常量で投与し…
血漿中のアルブミンとの結合率が高い薬物を、低アルブミン血症の患者に通常量で投与した。アルブミン濃度が正常な場合と比べた変化の説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 血中で非結合形として存在する割合が増え、組織へ移行して作用を示す薬物の割合が高まる。結合する相手のアルブミンが減るため非結合形の割合が上がり、組織移行や作用が強まりやすくなります。
- ⑵ 見かけの分布容積が小さくなり、同じ投与量でも血中の総濃度が上がりにくい状態になる。非結合形が組織へ移りやすくなるため、見かけの分布容積は大きくなる方向に変化します。
- ⑶ 血液脳関門での透過が強く制限されるようになり、中枢神経系での作用が現れにくくなる。非結合形が増えると中枢へ移行する薬物量は増える方向に変わり、作用は現れやすくなります。
- ⑷ 血中で結合形として存在する割合が増え、腎臓の糸球体でろ過される薬物の量が多くなる。結合形は糸球体でろ過されず、アルブミンが減ると結合形の割合はむしろ低下します。
- ⑸ 塩基性薬物と結合するα1-酸性糖タンパク質の濃度が下がり、塩基性薬物の作用が弱まる。低アルブミン血症で直接変化するのはアルブミンで、α1-酸性糖タンパク質ではありません。
解説
正解は⑴です。血漿タンパク質と結合した薬物は毛細血管の壁を通りにくく、組織への移行や受容体への作用、糸球体でのろ過に関わるのは非結合形です。アルブミンが減少すると結合できる部位が減るため、非結合形の割合が上がり、組織への移行が増えて作用や副作用が強く現れることがあります。見かけの分布容積は大きくなる方向に変化します。フェニトインやワルファリンのように結合率の高い薬物では、とくに注意が必要です。
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