脂質異常症でスタチンを服用している患者が、数日前からの手足の筋肉の痛みと脱力、赤…
脂質異常症でスタチンを服用している患者が、数日前からの手足の筋肉の痛みと脱力、赤褐色の尿を訴えて来局した。最も疑われる副作用はどれか。
- ⑴ 中枢のドパミン受容体の遮断で高熱と筋強剛が起こる悪性症候群悪性症候群は抗精神病薬などで起こる副作用で、スタチンによるものではありません。
- ⑵ 肝細胞が壊れて胆汁色素が尿中に出る薬物性の肝障害肝障害では濃い色の尿が出ることがありますが、筋肉の痛みと脱力は説明できません。
- ⑶ 赤血球が血管の中で壊れてヘモグロビンが尿に出る溶血性貧血ヘモグロビン尿で尿は赤くなりますが、溶血では手足の筋肉の痛みは説明できません。
- ⑷ 骨格筋の細胞が壊れてミオグロビンが尿中に出る横紋筋融解症筋肉痛、脱力、ミオグロビン尿による赤褐色尿はスタチンで注意すべき横紋筋融解症の典型的な症状です。
- ⑸ 神経筋接合部の受容体に対する抗体が生じる重症筋無力症重症筋無力症は脱力を起こしますが、筋の痛みや赤褐色の尿は伴いません。
解説
正解は⑷です。スタチンでは頻度は低いものの、骨格筋の細胞が壊れる横紋筋融解症が起こることがあります。筋肉の痛みや脱力感に加え、筋細胞から漏れたミオグロビンが尿中に出るため、尿が赤褐色になるのが特徴です。血中のクレアチンキナーゼが上昇し、進行するとミオグロビンによって急性腎障害を起こすため、早期に服用を中止して受診する必要があります。腎機能の低下やフィブラート系薬との併用で起こりやすくなります。
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