ポリ塩化ビフェニル(PCB)の排出が止まって長い年月がたった海域でも、魚を食べる…
ポリ塩化ビフェニル(PCB)の排出が止まって長い年月がたった海域でも、魚を食べる海鳥の体内から高い濃度で検出されることがある。その理由として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 水溶性が高く海水によく溶けるため、海鳥の皮膚や羽毛を通して海水から直接吸収されるため。PCBは水に溶けにくく、皮膚からの直接吸収が高い体内濃度の主な理由ではありません。
- ⑵ 揮発性が高く大気中を移動するため、海鳥が呼吸によって肺から多量に吸い込み続けるため。揮発による大気経由の移動はあっても、海鳥の体内濃度を高める主な経路は餌の魚です。
- ⑶ 海鳥の肝臓で水溶性の抱合体に変わったのち、腎臓の尿細管で再吸収されて血中に戻るため。水溶性の抱合体は尿中へ排泄されやすくなり、蓄積の理由にはなりません。
- ⑷ 脂溶性が高く分解されにくいため、食物連鎖を通じて上位の生物ほど脂肪組織に蓄積するため。難分解性で脂溶性の物質は排泄されにくく、食物連鎖の段階を上るごとに濃縮されます。
- ⑸ 紫外線によって速やかに分解され、生じたダイオキシン類が海鳥の羽毛に付着して残るため。PCBは光や熱に安定で分解されにくいことが問題であり、速やかな分解は起こりません。
解説
正解は⑷です。PCBは化学的に安定で分解されにくく、脂溶性が高いため、生物に取り込まれると脂肪組織に蓄積して排泄されにくい性質をもちます。そのため海水中の濃度は低くても、プランクトン、小魚、大型魚、海鳥と食物連鎖を上るごとに体内濃度が高くなります。これを生物濃縮といいます。水溶性が高く排泄されやすい物質や、環境中で速やかに分解される物質では、このような濃縮は起こりにくくなります。
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