細胞膜を構成するリン脂質の脂肪酸鎖に、シス形の二重結合が多く含まれていると、膜の…
細胞膜を構成するリン脂質の脂肪酸鎖に、シス形の二重結合が多く含まれていると、膜の流動性が高くなる。その理由として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 二重結合の部分が隣のリン脂質と水素結合をつくり、分子どうしの間隔を押し広げるため。炭化水素鎖の二重結合は水素結合をつくらず、流動性を上げる理由にはなりません。
- ⑵ 二重結合を含む脂肪酸は炭素数が多く、鎖の間のファンデルワールス力が強まるため。鎖が長くファンデルワールス力が強まると、膜はむしろ固くなり流動性は低下します。
- ⑶ 二重結合が膜にコレステロールを取り込ませ、二重層の厚みを大きくしていくため。コレステロールは高温では流動性を抑える働きもあり、二重結合が取り込みを促すことで流動化するのではありません。
- ⑷ 二重結合の位置で炭化水素鎖が折れ曲がり、隣の鎖と密に並ぶことが妨げられるため。シス形二重結合は鎖に屈曲をつくり、鎖どうしの充填を緩めるため、膜の流動性が高まります。
- ⑸ 二重結合をもつ脂肪酸ではリン酸の頭部が負電荷を増し、頭部どうしが反発しあうため。脂肪酸鎖の二重結合は親水性頭部の電荷を変えず、流動性の理由にはなりません。
解説
正解は⑷です。飽和脂肪酸の炭化水素鎖はまっすぐに伸びるため、隣どうしが密に並んでファンデルワールス力で強く引き合い、膜は固くなります。これに対しシス形の二重結合があると鎖がその位置で折れ曲がり、密な配列がとれなくなるため、膜の流動性が高まります。鎖が長いほど流動性は低下し、コレステロールは温度によって流動性を調節する働きをもちます。二重結合が頭部の電荷を変えることはありません。
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