水溶液中で球状タンパク質が折りたたまれるとき、ロイシンやバリンなどの非極性の側鎖…
水溶液中で球状タンパク質が折りたたまれるとき、ロイシンやバリンなどの非極性の側鎖は分子の内部に集まる。この集合を進める主な力として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 主鎖のカルボニル酸素とアミド水素の間で規則的に生じる、水素結合によるらせん構造の形成である。主鎖間の水素結合は二次構造をつくる力で、非極性側鎖が内部に集まることの主な駆動力ではありません。
- ⑵ 2つのシステイン残基のチオール基が酸化されて生じる、ジスルフィド結合による共有結合である。ジスルフィド結合はシステインどうしの共有結合で、ロイシンやバリンの側鎖は関与しません。
- ⑶ 側鎖の周りで秩序立っていた水分子が解放され、系のエントロピーが増える疎水性相互作用である。非極性の側鎖が集まると、その周りに並んでいた水分子が自由になり、エントロピーの増大が集合を進めます。
- ⑷ 電子を与えやすい側鎖と受け取りやすい側鎖の間で電荷が移り合う、電荷移動相互作用である。電荷移動相互作用は芳香環などの電子供与体と受容体の間で働くもので、脂肪族の非極性側鎖の集合の主因ではありません。
- ⑸ リシンの正電荷とアスパラギン酸の負電荷との間に働く、静電的な引力による塩橋の形成である。塩橋は電荷をもつ側鎖の間に働く力で、電荷をもたないロイシンやバリンの側鎖の集合は説明できません。
解説
正解は⑶です。非極性の側鎖が水に露出していると、その周りの水分子は水素結合の網目を保つために秩序立った配置をとります。側鎖どうしが集まって水との接触面が減ると、これらの水分子が解放されて系のエントロピーが増大し、自由エネルギーが下がります。これが疎水性相互作用です。塩橋や電荷移動相互作用は電荷や電子の偏りをもつ部分で働き、ジスルフィド結合はシステインどうしの共有結合なので、非極性側鎖の集合の主因にはなりません。
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