医薬品の部分構造に含まれる官能基の酸性度を比べるため、次の化合物を同じ濃度で水に…
医薬品の部分構造に含まれる官能基の酸性度を比べるため、次の化合物を同じ濃度で水に溶かした。水中でプロトンを最も放出しやすい化合物はどれか。
- ⑴ フェノールフェノキシドイオンは共鳴で安定化しますが、pKaは約10で、カルボン酸より弱い酸です。
- ⑵ エタノールアルコールのヒドロキシ基はほとんど電離せず、水より弱い酸です。
- ⑶ トリフルオロ酢酸電気陰性度の大きいフッ素3個の誘起効果で、共役塩基の負電荷が強く安定化されます。
- ⑷ クロロ酢酸塩素1個の誘起効果で酢酸より強い酸になりますが、フッ素3個をもつ化合物には及びません。
- ⑸ 酢酸カルボン酸としては標準的な強さで、pKaは約4.8です。
解説
最もプロトンを放出しやすいのはトリフルオロ酢酸です。酸の強さは、プロトンを放出したあとの共役塩基がどれだけ安定かで決まります。カルボン酸では、α位に電子求引性の原子が多いほど誘起効果で負電荷が分散し、酸性が強くなります。フッ素3個をもつトリフルオロ酢酸はクロロ酢酸や酢酸よりはるかに強い酸です。フェノールは共鳴安定化があってもカルボン酸より弱く、エタノールはさらに弱い酸です。
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