ある原薬には結晶形の異なる2つの多形があり、溶出性に差がある。製造ロットごとに、…
ある原薬には結晶形の異なる2つの多形があり、溶出性に差がある。製造ロットごとに、得られた粉末の結晶形を固体のまま確認したい。測定の方法として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 試料をメタノールに溶かし、紫外可視吸収スペクトルの形を比べる。溶かすと結晶の並び方の情報は失われるため、多形どうしで同じスペクトルになります。
- ⑵ 試料を溶かした液の屈折率を測り、ロットどうしで値を比べる。溶液の屈折率は濃度や溶質の種類で決まり、元の結晶形の情報は残りません。
- ⑶ 試料を水に溶かして旋光度を測り、比旋光度の値を比べる。溶液の旋光度は分子の立体配置を反映するもので、溶かすと結晶形の違いは消えます。
- ⑷ 試料にX線を照射して出る蛍光X線を測り、構成元素の比を比べる。蛍光X線分析は元素の種類と量を調べる方法で、多形は同じ組成なので区別できません。
- ⑸ 粉末試料に単色X線を照射し、回折角と回折強度の並びを比べる。粉末X線回折は結晶格子の面間隔を反映するため、結晶形が違えば回折パターンが変わります。
解説
最も適切なのは粉末X線回折測定です。結晶多形は分子の種類は同じで、結晶中での分子の並び方だけが違います。粉末X線回折では結晶格子の面間隔に応じた角度で回折が起こるため、多形ごとに異なる回折パターンが得られ、固体のまま判別できます。溶かして測る紫外可視吸収・旋光度・屈折率は結晶の情報を失い、蛍光X線は元素組成しか分からないため、多形の区別には使えません。
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