72 歳の男性。昨日の起床時から眼が動かしにくいことを主訴に自宅近くの診療所を受…
72 歳の男性。昨日の起床時から眼が動かしにくいことを主訴に自宅近くの診療所を受診した。眼球運動障害を指摘され精査のため紹介受診した。意識は清明。歩行障害や感覚異常を認めない。高血圧で内服薬を服用している。瞳孔不同はなく対光反射は正常である。5 方向と輻湊の眼位(別冊No. 4)とを別に示す。障害部位はどれか。
- ⑴ 後交連後交連の障害では上方注視麻痺などの垂直運動障害が生じます。
- ⑵ 左内側縦束(MLF)左MLFの障害では右方視時の左眼内転障害(核間麻痺)が生じます。
- ⑶ 左傍正中橋網様体(PPRF)左PPRFの障害で両眼の左方への注視麻痺が生じ、輻湊は保たれます。
- ⑷ 右外転神経核右外転神経核の障害では右方への注視麻痺が生じます。
- ⑸ 右動眼神経核右動眼神経核の障害では瞳孔異常や眼瞼下垂を伴うことが多いです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高血圧のある高齢者が突然眼が動かしにくくなり、瞳孔異常がなく、5方向眼位で両眼とも左方視ができない一方、輻湊では内転できる所見が想定されます。左方への水平注視の中枢である左傍正中橋網様体(PPRF)が脳梗塞などで障害されると、両眼の左方への共同運動ができなくなる左方注視麻痺が生じます。輻湊は中脳の経路を使うため保たれます。左MLFの障害では右方視時の左眼内転障害、右外転神経核の障害では右方注視麻痺になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-10.html)を加工して作成