4 歳の女児。幼稚園の健診で内斜視を指摘され自宅近くの診療所を受診した。右+2.…
4 歳の女児。幼稚園の健診で内斜視を指摘され自宅近くの診療所を受診した。右+2.50D、左+3.50D の眼鏡を作製したが、眼鏡を装用しても時々内斜するため紹介受診した。眼位は眼鏡装用で近見20 ΔET’、遠見5 ΔET。現況の眼鏡での矯正視力は右(1.0)左(0.6)だった。アトロピン硫酸塩を用いた屈折検査で、屈折値は右+3.50D 左+6.00D だった。次に行うべき対応で誤っているのはどれか。
- ⑴ AC/A 比を測定する。近見で内斜視が大きいため、AC/A比を測定して評価します。
- ⑵ 残余斜視の手術を行う。低矯正の眼鏡で残る内斜視は調節性の可能性があり、手術は完全矯正後に判断します。
- ⑶ 左眼の弱視訓練を行う。左眼は矯正視力0.6の不同視弱視があり、弱視訓練が必要です。
- ⑷ 近見に凸レンズを付加し二重焦点眼鏡の適応を判断する。近見の内斜視が大きいため、二重焦点眼鏡の適応を判断します。
- ⑸ アトロピン硫酸塩を用いた検査結果での完全矯正眼鏡に作り替える。アトロピン下の屈折値に基づく完全矯正眼鏡に作り替えることが先決です。
解説
正解は⑵です。現在の眼鏡(右+2.50D、左+3.50D)は、アトロピン下の屈折値(右+3.50D、左+6.00D)に比べて低矯正で、調節性の成分が残っているため内斜視が残っている可能性があります。また左眼は不同視弱視(矯正視力0.6)です。まず完全矯正眼鏡に作り替え、左眼の弱視訓練を行い、近見で偏位が大きいのでAC/A比を測定して二重焦点眼鏡の適応を判断します。完全矯正で残る斜視角を確認する前に手術を行うのは誤りです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-10.html)を加工して作成