1歳4か月の男児。両眼の白色瞳孔を主訴に来院した。眼底写真(別冊No. 6)を別…
1歳4か月の男児。両眼の白色瞳孔を主訴に来院した。眼底写真(別冊No. 6)を別に示す。また、頭部CT 検査で両眼に石灰化病変を認めた。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 未熟児網膜症未熟児網膜症は早産児の病歴があり、石灰化病変は示しません。
- ⑵ 網膜芽細胞腫乳幼児の両眼性白色瞳孔とCTでの石灰化は網膜芽細胞腫に典型的です。
- ⑶ 網膜有髄神経線維網膜有髄神経線維は乳頭周囲の白い羽毛状所見で、病的意義は乏しいです。
- ⑷ 家族性滲出性硝子体網膜症家族性滲出性硝子体網膜症は周辺網膜の無血管野や牽引を示し、石灰化は示しません。
- ⑸ 硝子体血管系遺残〈第1次硝子体過形成遺残〉硝子体血管系遺残は多くが片眼性で小眼球を伴い、石灰化は示しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。網膜芽細胞腫は乳幼児の網膜に生じる悪性腫瘍で、白色瞳孔が最も多い初発症状です。両眼性はRB1遺伝子の生殖細胞系列変異による遺伝性の例が多く、腫瘍内の石灰化がCTで検出されることが診断上の大きな手がかりになります。未熟児網膜症、家族性滲出性硝子体網膜症、硝子体血管系遺残も白色瞳孔の原因となりますが、腫瘍性の石灰化は示しません。網膜有髄神経線維は乳頭周囲の白い線維状所見で、白色瞳孔の原因にはなりにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-10.html)を加工して作成