40歳の男性。交通事故で頭を強く打ってから、物が上下にずれ、さらに傾いて二重に見…
40歳の男性。交通事故で頭を強く打ってから、物が上下にずれ、さらに傾いて二重に見える。検査で、両眼の上斜筋の麻痺と診断された。この患者に予想される所見として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 頭を左右どちらの肩へ傾けても、上下のずれは変わらない。両側の麻痺では、右へ傾けると右眼が、左へ傾けると左眼が上へずれやすくなります。
- ⑵ 眼球の回旋のずれはほとんどなく、物が傾いて見えることはない。両側の上斜筋の麻痺では外方回旋のずれが大きく、物が傾いて見えやすくなります。
- ⑶ 右方を見ると左眼が、左方を見ると右眼が上へずれ、上下のずれの向きが入れ替わる。上斜筋は内転位で下転を担うため、両側の麻痺では内転した側の眼が上へずれ、注視の方向で上下が入れ替わります。
- ⑷ どの方向を見ても右眼が上へずれ、頭を左肩へ傾けるとずれが消える。どの方向でも同じ眼が上へずれるのは片側の麻痺の所見で、両側の麻痺では向きが入れ替わります。
- ⑸ 下方を見ると外へのずれが大きくなり、上方を見ると内へのずれが大きくなる。上斜筋は下方視で外転も助けるので、両側の麻痺では下方視で内へのずれが大きくなります。
解説
最も適切なのは、右方を見ると左眼が、左方を見ると右眼が上へずれ、上下のずれの向きが入れ替わることです。上斜筋は眼球が内転した位置で下転の働きが大きく、また外方回旋を抑える働きと、下方視での外転を助ける働きをもちます。両側が麻痺すると、注視の方向によって上へずれる眼が入れ替わり、外方回旋のずれが大きく、下方視で内へのずれが大きくなります。頭部の強い外傷で起こりやすい状態です。
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