50歳の男性。1年前に外傷で右の動眼神経麻痺を起こし、その後ある程度回復した。現…
50歳の男性。1年前に外傷で右の動眼神経麻痺を起こし、その後ある程度回復した。現在、右眼を内側や下へ向けると、右の上眼瞼がそれにつれて持ち上がる。この現象の起こり方として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 再生した線維が違う筋へつながり、眼を動かす指令で挙筋も収縮する。動眼神経が傷ついたあとの再生で線維が誤った筋へつながると、内直筋や下直筋への指令で上眼瞼挙筋も働くようになります。
- ⑵ 交感神経の働きが強まり、眼を動かすたびにミュラー筋が強く収縮する。ミュラー筋の収縮で瞼が上がる量はわずかで、眼の向きに連動して大きく上がる現象の説明になりません。
- ⑶ 顔面神経が過敏になり、眼輪筋が眼の動きとともに強く緩む。眼輪筋が緩んでも上眼瞼が積極的に持ち上がることはありません。上眼瞼を上げるのは動眼神経の支配する筋です。
- ⑷ 神経と筋のつなぎ目が疲れやすくなり、動かすほど上眼瞼挙筋が強く働く。神経筋接合部の障害では動かすほど筋は疲れて弱くなり、瞼は下がります。逆の現象です。
- ⑸ 眼窩の組織が癒着し、眼球が下へ動くと上眼瞼が機械的に引き上げられる。機械的な癒着では眼球の動きが制限されます。下を見ると瞼が引き上げられる仕組みにはなりません。
解説
最も適切なのは、再生した神経線維が本来とは違う筋へ伸び、眼を動かす指令で上眼瞼挙筋も収縮するという起こり方です。動眼神経は外傷や圧迫で傷ついたあとに再生しますが、その際に線維が誤った筋へつながる異常再生が起こることがあります。その結果、内転や下転の指令で上眼瞼挙筋が働いて瞼が上がったり、瞳孔が縮んだりします。血管の障害による麻痺ではふつう起こりません。
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