62歳の男性。眼底検査のため散瞳させたいが、このあと近くの書類を読む仕事があり、…
62歳の男性。眼底検査のため散瞳させたいが、このあと近くの書類を読む仕事があり、調節にはなるべく影響を与えたくない。この目的に合う点眼薬と、その作用の組合せとして正しいのはどれか。
- ⑴ オキシブプロカイン:角膜の知覚神経の伝導を止めて散瞳させる。オキシブプロカインは表面麻酔薬で、眼圧測定などで角膜の痛みを止めるために使います。散瞳は起こしません。
- ⑵ フェニレフリン:瞳孔散大筋のα1受容体を刺激して散瞳させる。フェニレフリンは交感神経作動薬で、散大筋を収縮させて散瞳させます。毛様体筋への作用はほとんどなく、調節は保たれます。
- ⑶ チモロール:毛様体上皮のβ受容体を遮断して散瞳させる。チモロールは房水の産生を減らす緑内障の薬で、瞳孔の大きさはほとんど変えません。
- ⑷ アトロピン:毛様体筋のムスカリン受容体を遮断して散瞳させる。アトロピンは強い調節麻痺を起こし、効果が1〜2週間続きます。調節に影響を与えたくない目的には合いません。
- ⑸ ピロカルピン:瞳孔括約筋のムスカリン受容体を刺激して散瞳させる。ピロカルピンは括約筋を収縮させるので縮瞳を起こします。毛様体筋も収縮させ、近視側へずらします。
解説
正しいのはフェニレフリンと、瞳孔散大筋のα1受容体を刺激する作用の組合せです。交感神経作動薬は散大筋を収縮させて散瞳させますが、調節を担う毛様体筋は副交感神経が支配しているため、調節への影響はわずかです。ピロカルピンは縮瞳薬、アトロピンは強い調節麻痺を起こす薬、チモロールは房水産生を減らす緑内障の薬、オキシブプロカインは表面麻酔薬です。
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