70歳の女性。遠視がある。夕方、薄暗い部屋で読書をしていたところ、急に右眼の痛み…
70歳の女性。遠視がある。夕方、薄暗い部屋で読書をしていたところ、急に右眼の痛みと頭痛、吐き気が起こった。右眼の眼圧は高く、前房が浅い。瞳孔ブロックによる急性の隅角閉塞と診断された。このとき眼の中で起きていることとして正しいのはどれか。
- ⑴ 線維柱帯に色素の粒が詰まり、隅角は開いたままで房水の出ていく量が減っている。これは隅角が開いたまま眼圧が上がる色素性の開放隅角緑内障の仕組みです。前房が浅くなる隅角閉塞とは違います。
- ⑵ 虹彩と水晶体の間で房水が前房へ流れにくくなり、虹彩が前へ膨らんで隅角をふさぐ。瞳孔ブロックでは後房に房水がたまって虹彩が前へ膨らみ、虹彩の根元が線維柱帯をふさいで眼圧が上がります。
- ⑶ 脈絡膜の血管から水が硝子体へ漏れ出し、硝子体が膨らんで眼圧が上がっている。瞳孔ブロックの場で房水の流れを妨げているのは瞳孔の部分です。硝子体への漏れが主な仕組みではありません。
- ⑷ 生まれつきシュレム管がなく、房水の出口が初めから欠けた状態が急に表に出ている。隅角の発生の異常による緑内障は乳幼児期に発症する先天性のものです。高齢の遠視眼の急な発作とは違います。
- ⑸ 毛様体が房水をふだんの数倍の速さで作り続け、隅角が開いたまま眼の中にあふれている。急性の隅角閉塞は房水の出口がふさがることで起こります。房水を作る量が急に増えることが原因ではありません。
解説
正しいのは、水晶体と虹彩の間で房水の流れが妨げられ、虹彩が前へ押されて隅角をふさぐという説明です。遠視で眼軸の短い眼や水晶体の厚くなった高齢者では、薄暗い所で瞳孔が中くらいに開くと虹彩と水晶体が強く接し、後房の房水が前房へ流れにくくなります。虹彩が前へ膨らんで線維柱帯をふさぐと房水が出ていかず、眼圧が急に上がります。
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