9歳の女児。学校の視力検査で両眼とも0.3と指摘され来院した。屈折値はほぼ正視で…
9歳の女児。学校の視力検査で両眼とも0.3と指摘され来院した。屈折値はほぼ正視で、前眼部と眼底に異常はなく、対光反射も左右差がない。医師は心因性視覚障害を疑っている。この診断を支える検査結果として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 度数を打ち消し合う凸レンズと凹レンズを重ねて測ると、視力が1.0まで上がる。度数を打ち消したレンズを入れて「よく見える眼鏡」と思わせると視力が上がるのは、心因性視覚障害でみられる反応です。
- ⑵ ペンライトの光を左右の眼に交互に当てると、右眼に移したときに両眼の瞳孔が広がる。相対的入力瞳孔反射異常の所見で、視神経の器質的な障害を示します。心因性では対光反射に左右差は出ません。
- ⑶ 網膜電図で、両眼ともb波の振幅が小さく、ほとんど平坦な波形になる。網膜電図が平坦になるのは網膜の視細胞などの障害です。心因性視覚障害では網膜電図は正常です。
- ⑷ 視覚誘発電位で、両眼ともP100の潜時が正常よりはっきり遅れている。視覚誘発電位の潜時の遅れは視神経の伝導障害を示す器質的な所見です。心因性では正常に保たれます。
- ⑸ 調節麻痺薬を点眼して測り直すと強い遠視が見つかり、完全矯正で1.0が出る。強い遠視が見つかり矯正で視力が出るなら、屈折異常による視力低下です。心因性の根拠にはなりません。
解説
最も適切なのは、度数を打ち消したレンズで視力が1.0まで上がるという結果です。これはレンズ打ち消し法と呼ばれ、器質的な異常がないのに視力が出ない心因性視覚障害で、暗示によって視力が改善する反応をとらえます。瞳孔の左右差、視覚誘発電位の潜時の遅れ、網膜電図の平坦化は器質的な病変を示す所見です。強い遠視が矯正で治るのは屈折異常による視力低下です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。