55歳の女性。甲状腺眼症で、右眼の下直筋が太く硬くなっている。正面視で右眼がやや…
55歳の女性。甲状腺眼症で、右眼の下直筋が太く硬くなっている。正面視で右眼がやや下にあり、上を見ると物が上下に二重に見える。この患者の検査でみられやすい所見として正しいのはどれか。
- ⑴ Hess赤緑試験で、右眼の図形の下方が狭く、上方は広く描かれる。下直筋が伸びないため上転が制限され、右眼の図形は上方が狭くなります。
- ⑵ 牽引試験で右眼を上へ引くと、抵抗なく容易に上方へ動く。下直筋が硬いため、上へ引くと強い抵抗があります。抵抗がないのは神経の麻痺の場合です。
- ⑶ 右眼を下へ向けると上下のずれが最も大きくなり、上方視ではずれが消える。上転が制限されているため、上方視でずれが大きくなります。下方視ではむしろ小さくなります。
- ⑷ 右の上眼瞼が下がり、瞼裂が左より狭くなっている。甲状腺眼症では上眼瞼が上がって瞼裂が広くなりやすく、眼瞼下垂は典型的ではありません。
- ⑸ 上方視で眼圧を測ると、正面視のときより右眼の眼圧が高くなる。硬い下直筋に逆らって上を見ようとすると眼球が圧迫され、上方視で右眼の眼圧が上がります。
解説
上方視で眼圧を測ると右眼の眼圧が高くなる所見が正しいです。甲状腺眼症では外眼筋が太く硬くなり、下直筋が侵されると伸びにくくなって上転が制限されます。上を見ようとすると硬い筋に逆らって眼球が圧迫され、眼圧が上がります。牽引試験では抵抗があり、Hess赤緑試験では右眼の図形の上方が狭くなります。神経の麻痺とは、こうした機械的な制限の所見で区別します。
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