56 歳の女性。下顎左側大臼歯部の腫脹を主訴として来院した。下顎エナメル上皮腫の…
56 歳の女性。下顎左側大臼歯部の腫脹を主訴として来院した。下顎エナメル上皮腫の診断で全身麻酔下に外科手術を施行することとした。全身麻酔を導入し気管挿管後、聴診で喘鳴を認めた。このときの生体情報モニタ画面(別冊No. 10)を別に示す。投与すべき薬剤はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ サルブタモール硫酸塩β2刺激薬で気管支平滑筋を弛緩させ、挿管後の気管支痙攣を改善します。
- ⑵ ネオスチグミン臭化物ネオスチグミンは筋弛緩薬の拮抗薬で、ムスカリン作用により気管支を収縮させるおそれがあります。
- ⑶ モルヒネ塩酸塩水和物モルヒネはヒスタミン遊離作用があり、気管支痙攣を悪化させるおそれがあります。
- ⑷ スガマデクスナトリウムスガマデクスはロクロニウムの拮抗薬で、気管支痙攣の治療薬ではありません。
- ⑸ チアミラールナトリウムチアミラールはバルビツール酸系の静脈麻酔薬で、気管支痙攣を誘発しうるため適しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。写真は提示されていませんが、全身麻酔導入と気管挿管の直後に聴診で喘鳴が認められ、モニタでは気道内圧の上昇やカプノグラムの閉塞性パターン、SpO2の低下などが示されていると考えられます。これは気管挿管の刺激による気管支痙攣が疑われ、β2刺激薬であるサルブタモールの吸入で気管支平滑筋を弛緩させます。ネオスチグミンとスガマデクスは筋弛緩の拮抗薬、モルヒネはヒスタミン遊離作用で気管支痙攣を悪化させるおそれがあり、チアミラールも気管支痙攣を誘発しうる薬剤です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成