6 歳の男児。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。口腔外科での手術の既往…
6 歳の男児。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。口腔外科での手術の既往がある。初診時の顔面写真(別冊No. 29A)、口腔内写真(別冊No. 29B)、エックス線画像(別冊No. 29C)及び歯科用コーンビームCT(別冊No. 29D)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。適切な矯正装置はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 急速拡大装置急速拡大装置は上顎の幅径を拡大する装置で、口唇口蓋裂でも用いますが、本例の公表正答ではありません。
- ⑵ チンキャップチンキャップは下顎の前方成長を抑制する装置で、上顎の劣成長が主体の反対咬合には適しません。
- ⑶ アクチバトールアクチバトールは主に下顎を前方に誘導する機能的矯正装置で、上顎の劣成長には適しません。
- ⑷ 上顎顎外固定装置上顎顎外固定装置(ヘッドギア)は上顎の前方成長を抑制する装置で、上顎劣成長には逆効果です。
- ⑸ 上顎前方牽引装置口唇口蓋裂術後などの上顎劣成長に対し、上顎骨を前方に牽引して成長を促します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。画像とセファロ分析は提示されていませんが、口腔外科での手術の既往がある6歳男児で前歯の歯並びが問題となっていることから、口唇口蓋裂の術後症例が考えられます。口唇裂や口蓋裂の手術後は瘢痕組織により上顎骨の前方成長が抑制され、上顎の劣成長による反対咬合を生じやすくなります。公表正答から、上顎骨の前方成長を促す上顎前方牽引装置が適切です。チンキャップは下顎の過成長、アクチバトールは主に上顎前突、上顎顎外固定装置は上顎の前方成長抑制に用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成