上顎右側小臼歯部と同側の側頭部に持続性の鈍痛を訴える患者が来院した。診察の結果、…
上顎右側小臼歯部と同側の側頭部に持続性の鈍痛を訴える患者が来院した。診察の結果、歯に異常所見を認めなかった。触診の際に、側頭部を圧迫すると歯痛が増強した。そこで、圧痛点に局所麻酔を施したところ、小臼歯部の鈍痛が減弱した。この歯痛はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 関連痛側頭筋の圧痛点への刺激で増強し局所麻酔で減弱することから、筋筋膜痛による関連痛と判断できます。
- ⑵ 歯原性歯痛歯に異常所見がなく、側頭部への局所麻酔で痛みが減弱しているため、歯に原因はありません。
- ⑶ 心因性疼痛心因性疼痛は身体的原因が見つからない場合に考えますが、本例では側頭部の圧痛点という原因が特定されています。
- ⑷ 神経障害性疼痛神経障害性疼痛は神経の損傷や障害による痛みで、圧痛点の刺激で再現される本例とは異なります。
- ⑸ 特発性〈非定型〉歯痛特発性歯痛は原因が特定できない歯痛で、本例のように原因部位が判明している場合には当たりません。
解説
正解は⑴です。歯に異常がないのに歯痛を訴え、側頭部の圧痛点(トリガーポイント)を押すと歯痛が増強し、その部位への局所麻酔で歯痛が減弱していることから、側頭筋の筋筋膜痛が上顎小臼歯部に投射された関連痛(非歯原性歯痛)と考えられます。関連痛は、痛みの原因部位とは離れた部位に痛みを感じる現象で、収束投射によって説明されます。歯原性歯痛は歯に原因がある痛み、神経障害性疼痛は神経の損傷による痛みで、特発性歯痛は原因が特定できない場合に用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成