80 歳の女性。咬合時の下顎全部床義歯の動揺と両側臼歯部粘膜の痛みを主訴として来…
80 歳の女性。咬合時の下顎全部床義歯の動揺と両側臼歯部粘膜の痛みを主訴として来院した。旧義歯は2 年前に製作したという。診察の結果、新義歯を製作することとした。新義歯によって主訴は改善した。来院時の口腔内写真(別冊No. 22A)と新旧義歯の適合試験時の写真(別冊No. 22B)を別に示す。向上したのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 緩圧性緩圧性は軟質裏装材などで得られる性質で、本例で向上したものとはされていません。
- ⑵ 受動性受動性はクラスプが静止時に歯に力を加えない性質で、全部床義歯には当てはまりません。
- ⑶ 適合性粘膜面の適合が改善し、義歯の動揺が減少しました。
- ⑷ 拮抗作用拮抗作用はクラスプの拮抗腕の働きで、全部床義歯には当てはまりません。
- ⑸ 支持作用適合が良くなり咬合圧が広く分散されることで、支持作用が向上しました。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑸です。写真は見られないため本文から考えます。旧義歯では顎堤の吸収などで適合が悪くなり、咬合時の動揺と臼歯部の疼痛が生じていたと考えられます。適合試験材の写真で新旧義歯を比べると、新義歯では粘膜面の適合性が向上し、咬合圧が義歯床全体に分散して顎堤で受け止められるため、支持作用も向上します。その結果、動揺が減り局所的な疼痛も改善したと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成