5 歳の男児。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。口唇裂と口蓋裂に対して…
5 歳の男児。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。口唇裂と口蓋裂に対して手術の既往がある。初診時の口腔内写真(別冊No. 20A)とエックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。適切な矯正装置はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 拡大床上顎歯列弓の狭窄に対し、拡大床で側方に拡大します。
- ⑵ 咬合挙上板咬合挙上板は過蓋咬合の改善に用いる装置で、本症例の主な問題には対応しません。
- ⑶ タングクリブタングクリブは舌突出癖の防止に用いる装置です。
- ⑷ アクチバトールアクチバトールは機能的矯正装置で、上顎の劣成長への対応としては優先されません。
- ⑸ 上顎前方牽引装置上顎前方牽引装置で上顎骨の前方成長を促し、反対咬合を改善します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑸です。写真と分析結果は確認できませんが、口唇口蓋裂の手術後の患者では、口蓋形成術の瘢痕により上顎骨の側方・前方への成長が抑制され、上顎歯列弓の狭窄による交叉咬合や、上顎劣成長による反対咬合が生じやすくなります。そのため拡大床で上顎歯列弓を側方に拡大し、上顎前方牽引装置で上顎骨の前方成長を促して前後的関係を改善します。咬合挙上板は過蓋咬合、タングクリブは舌癖、アクチバトールは機能的矯正に用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成