5歳の女児。上顎の乳前歯が折れたと母親と来院した。診察すると、頬と上腕に時期の異…
5歳の女児。上顎の乳前歯が折れたと母親と来院した。診察すると、頬と上腕に時期の異なる複数のあざがあり、母親の説明は受傷の様子と合わない。歯科医師は虐待の可能性を考えている。診療録への記録の方法として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 母親を問い詰めて受傷の経緯を何度も言い直させ、最後の説明を記録する。問い詰めると関係が悪化し、説明の変化という大切な情報も失われます。
- ⑵ 診察した歯科医師の推測で、虐待の加害者を特定して診療録に記載する。記録は客観的な事実にとどめ、推測で加害者を断定して書くことはしません。
- ⑶ あざや傷の位置と大きさ、色を図や写真で記録し、母親の説明をそのまま書きとめる。客観的な所見と保護者の説明をそのまま記録しておくと、後の判断や関係機関との連携に役立ちます。
- ⑷ 女児に「誰にたたかれたの」と答えを誘導する質問をくり返し、その答えを記録する。誘導する質問は子どもの話を変えてしまうため、自由に話せる問いかけにとどめます。
- ⑸ 歯の外傷を記録し、あざや保護者の説明は診療録に残さない。全身の所見や説明の食い違いは、虐待を判断する大切な情報です。
解説
最も適切なのは、あざや傷の位置と大きさ、色を図や写真で記録し、母親の説明をそのまま書きとめることです。虐待が疑われるときは、客観的な所見と、保護者や子どもの言葉をできるだけそのまま記録しておきます。こうした記録は、児童相談所などへ通告したあとの調査や判断に役立ちます。推測で加害者を断定したり、子どもに誘導的な質問をくり返したりすることは避け、確証がなくても通告を検討します。
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