74歳の女性。慢性の心不全があり、最近は食事の量が減って血清アルブミンも低下して…
74歳の女性。慢性の心不全があり、最近は食事の量が減って血清アルブミンも低下している。歯科訪問診療で、両側の下腿に押すとくぼみが残るむくみがみられた。このむくみが生じている機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 赤血球が増えて血液の粘り気が高まり、血漿が組織へ漏れ出る。赤血球の増加はむくみの機序ではなく、この患者の状態にも当てはまりません。
- ⑵ 静脈のうっ血で毛細血管の静水圧が上がり、水分が組織へ出ている。心不全で静脈圧が上がると、毛細血管から組織へ出ていく水分が増えます。
- ⑶ 血漿のアルブミンが減り、水分を血管の中へ引き戻す力が弱まっている。膠質浸透圧が下がると、組織から血管へ水分が戻りにくくなります。
- ⑷ 動脈血の酸素が足りず、組織の細胞自身が水分を作り出す。細胞が水分を作り出してむくみが起こることはありません。
- ⑸ 血小板が減って血が止まりにくくなり、組織に血液がたまっている。組織への出血は皮下出血で、押すとくぼみが残るむくみとは異なります。
解説
正しいのは、静脈のうっ血で毛細血管の静水圧が上がっていること、血漿のアルブミンが減って水分を血管内へ引き戻す力が弱まっていることの2つです。浮腫は、毛細血管の静水圧の上昇、血漿膠質浸透圧の低下、血管の透過性の亢進、リンパの流れの障害などで、組織に水分がたまって起こります。心不全では静脈圧の上昇が、低栄養や肝硬変、ネフローゼ症候群ではアルブミンの低下が主な原因になります。
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