40歳の男性。歯冠補綴装置の試適中に装置が口腔の奥へ落ち、患者は急に両手でのどを…
40歳の男性。歯冠補綴装置の試適中に装置が口腔の奥へ落ち、患者は急に両手でのどをつかんだ。声を出すことができず、咳もできない。意識ははっきりしており、立ち上がろうとしている。歯科医師がまず行う処置として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 水平位に寝かせて酸素を投与し、呼吸が落ち着くのを待つ。気道が閉塞したままでは酸素は肺に届かず、待つと窒息が進みます。
- ⑵ 口を開けさせ、見えない位置にある補綴装置を指で探って取り出す。見えない異物を指で探ると、かえって奥へ押し込むおそれがあります。
- ⑶ コップの水を飲ませて、落ちた補綴装置を胃のほうへ流し込む。気道が詰まっている状態で水を飲ませると、さらに誤嚥を招きます。
- ⑷ 背後に回り、へその少し上に当てた握りこぶしを手前上方へ突き上げる。意識があり咳もできない気道の閉塞には、腹部突き上げで異物の排出を図ります。
- ⑸ 水平位に寝かせ、ただちに胸骨圧迫を30回行ってから人工呼吸を2回行う。胸骨圧迫は反応がなくなってから始めます。意識がある間は腹部突き上げなどを行います。
解説
最も適切なのは、患者の背後から腹部突き上げを行うことです。のどをつかむしぐさは窒息のサインで、声も咳も出ないのは気道がほぼ完全にふさがっていることを示します。意識がある間は、腹部突き上げや背部叩打で異物の排出を図ります。反応がなくなったら、救急通報とともに胸骨圧迫から心肺蘇生を始めます。見えない異物を指で探ったり水を飲ませたりすると、状態を悪化させます。
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