62歳の男性。舌の右側縁の扁平上皮癌の切除手術を行っている。切除した組織の断端に…
62歳の男性。舌の右側縁の扁平上皮癌の切除手術を行っている。切除した組織の断端に腫瘍が残っていないかを手術中に確かめ、切除範囲を決めたい。病理検査に用いる標本として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 組織を酸に浸して硬い部分を柔らかくしてから薄く切った標本。脱灰は骨を含む組織に用い、日数がかかるため手術中には使えません。
- ⑵ 頸部のリンパ節に細い針を刺し、吸い出した細胞を塗った標本。リンパ節の細胞をみる検査で、切除断端の評価にはなりません。
- ⑶ 切り取った組織を急速に凍らせ、薄く切って染色した標本。凍結切片は短時間で作れ、手術中の迅速診断に用います。
- ⑷ 腫瘍の表面をブラシでこすり、はがれた細胞を塗った標本。表面の細胞診では、断端の組織に腫瘍が残るかは判定できません。
- ⑸ ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋して薄く切った標本。固定と包埋に日数がかかり、手術中の判断には間に合いません。
解説
最も適切なのは、組織を急速に凍らせて薄く切り、染色した標本です。術中迅速病理診断では、凍結切片を使うことで数十分で結果が出るため、断端に腫瘍が残っているかを手術中に判断して切除範囲を決められます。ホルマリン固定とパラフィン包埋の標本は精度が高い一方で数日かかるため、手術後の確定診断に用います。骨を含む組織は脱灰が必要で、さらに時間がかかります。
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