8歳の男児。頸部の前面の正中に、直径2cmの丸くやわらかい腫れがある。舌を前へ突…
8歳の男児。頸部の前面の正中に、直径2cmの丸くやわらかい腫れがある。舌を前へ突き出すと、腫れが上方へ動く。甲状舌管嚢胞と診断された。この嚢胞ができる発生の背景として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 唾液腺の導管が詰まり、口底に唾液がたまって大きな袋になったため唾液腺の導管の閉塞による嚢胞は口底にでき、舌の動きに合わせて上下しません。
- ⑵ 第二鰓溝が閉じずに残り、頸部の側方の胸鎖乳突筋の前縁に袋が残ったため第二鰓溝の遺残は側頸嚢胞で、頸部の側方にでき、正中にはできません。
- ⑶ 左右の口蓋突起の癒合が不十分で、口蓋の正中に上皮が残ったため口蓋突起の癒合部の上皮の遺残は口蓋の正中に生じ、頸部にはできません。
- ⑷ 甲状腺の原基が舌の根元から頸部へ下りた通り道が、閉じずに残ったため甲状腺は舌根の部位から頸部へ下降し、その通り道の甲状舌管が残ると嚢胞になります。
- ⑸ 歯の形成に関わった上皮が顎骨の中に残り、そこから袋が作られたため歯の形成に関わる上皮から生じる嚢胞は顎骨の中にでき、頸部の正中にはできません。
解説
最も適切なのは、甲状腺の原基が舌の根元から頸部へ下降するときの通り道が閉じずに残ったためです。甲状腺は胎生期に舌根の舌盲孔の位置で発生し、甲状舌管を通って頸部の前面へ下降します。通常この管は消えますが、残ると嚢胞を形成します。舌骨と関係して舌の動きとともに上下するのが特徴です。頸部の側方にできる側頸嚢胞は、鰓溝や鰓嚢の遺残から生じます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。