36歳の女性。右の上の奥歯が痛むと訴えて来院したが、痛む歯を指で示すことができず…
36歳の女性。右の上の奥歯が痛むと訴えて来院したが、痛む歯を指で示すことができず、右の下の奥歯や耳の前も痛いと話す。上顎右側第一大臼歯に深い齲蝕があり、急性の歯髄炎と診断した。痛む場所を正確に示せない理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 歯髄の神経は顔面神経に属しており、顔の表情の動きに合わせて痛む場所が変わるため歯髄の感覚を伝えるのは三叉神経で、顔面神経ではありません。
- ⑵ 歯髄の痛みは自律神経によって伝えられ、大脳に届かないため場所が意識されないため歯髄の痛みは三叉神経を通って大脳に届き、痛みとして意識されます。
- ⑶ 歯髄には触覚の受容器が多く、どの歯を押されたかまで細かく区別して伝えることができるため歯髄の感覚は主に痛みで、触れた位置を細かく区別して伝える働きはありません。
- ⑷ 歯髄の痛みは局在が不明瞭で、同じ三叉神経が分布する離れた部位の痛みとして感じられるため歯髄の痛みは局在しにくく、同じ神経の別の領域の痛みとして感じる関連痛が起こります。
- ⑸ 上顎と下顎の歯髄の神経は同じ1本の神経でつながっており、上下で同じ歯が同時に炎症を起こすため上顎は上顎神経、下顎は下顎神経が分布し、炎症が上下の歯で同時に起こるわけではありません。
解説
最も適切なのは、歯髄からの痛みは局在が不明瞭で、同じ三叉神経が分布する離れた部位の痛みとして感じられることがあるためです。歯髄の感覚は主に痛みで、歯根膜のように位置を正確に伝える受容器がありません。また、三叉神経の枝からの痛みの情報は脳幹で集まるため、上下の奥歯や耳の前など、別の部位の痛みとして感じる関連痛が起こります。診断では、温度診や打診で原因の歯を確かめます。
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