中学校の部活動中に、2年生の生徒が転倒して上顎右側中切歯が歯槽から完全に抜け落ち…
中学校の部活動中に、2年生の生徒が転倒して上顎右側中切歯が歯槽から完全に抜け落ちた。歯はすぐに見つかり、土が少し付いている。養護教諭から歯科医院に電話で相談があった。歯科医師の助言として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 歯根には触れずに歯冠を持ち、歯の保存液か冷たい牛乳に浸して、すぐに来院してもらう。歯根膜の細胞を生かしたまま運ぶことが、再植した歯が生着するための条件になります。
- ⑵ 歯の表面の細菌を消すため、消毒用アルコールに浸けた状態で持ってきてもらう。アルコールは歯根膜の細胞を死なせてしまうため、保存には使いません。
- ⑶ 付いた土を落とすため、歯ブラシで歯根の表面をよくこすって洗ってから持ってきてもらう。歯根をこすると歯根膜の細胞が傷つき、再植しても骨と癒着したり吸収されたりします。
- ⑷ 清潔なティッシュペーパーで歯を包み、乾いた状態のまま袋に入れて持ってきてもらう。乾燥すると歯根膜の細胞は短時間で死んでしまい、再植の予後が悪くなります。
- ⑸ 出血が止まるまで学校で数時間安静にさせ、翌日になってから歯を持って来院させる。再植までの時間が長いほど歯根膜の細胞が失われ、予後が悪くなります。
解説
最も適切なのは、歯根に触れずに歯冠を持ち、歯の保存液か冷たい牛乳に浸してすぐに来院してもらうことです。完全に脱落した永久歯を再植して生着させるには、歯根の表面の歯根膜の細胞を生かしておくことが重要です。歯根をこすったり、乾かしたり、アルコールに浸けたりすると細胞が死に、再植後に歯根が骨と癒着したり吸収されたりします。学校での歯の外傷に備え、保存の方法を周知しておくことも学校安全の一つです。
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